通常枠とデジタル化基盤導入類型の違い解析

デジタル化基盤導入類型

ITツール導入の経費の一部をサポートしてくれる、IT導入補助金
中小企業や小規模事業者、個人事業者の事業効率化や生産性の向上を目的とした制度で、現在とても注目されています。
このIT導入補助金には、各種取り組みに対応するプランがあるのですが、中でも知っておきたい枠組みが2つあります。
それは、通常枠デジタル化基盤導入類型です。
IT導入補助金は、目的や取り組みによって申請する枠が変わってくるので、その違いをしっかり押さえておきたいですよね。
そこで今回は、IT導入補助金の中核をなすともいえる、通常枠とデジタル化基盤導入類型について、徹底解説したいと思います。

通常枠とは

通常枠とは、中小企業・小規模事業者などが、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する際、経費の一部を補助する制度です。
この通常枠を活用することで、業務効率化や売上をアップさせることが目的とされています。
ここでは、通常枠について解説したいと思います。
・通常枠のITツールの要件
・通常枠A類型とは
・通常枠B類型とは

通常枠のITツールの要件

通常枠に該当するITツールのプロセスは7項目あります。
1, 顧客対応・販売支援
2, 決済・債権債務・資金回収管理
3, 供給・在庫・物流
4, 会計・財務・経営
5, 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム
6, その他業務固有のプロセス
7, 汎用・自動化・分析ツール*
*業種・業務が限定されないが、生産性向上への寄与が認められる業務プロセスに付随しない専用のソフトウエア

通常枠 A類型とは

上記の7プロセスのうち、1種類以上の業務プロセスを保有するソフトウエアを申請するのが、通常枠A類型です。
(注:7の汎用プロセスのみは不可です)
通常枠A類型は、業務の効率化や経営力の向上・強化に寄与するITツールであれば、比較的柔軟に導入することが可能です。
IT導入補助金を使いたい場合は、まずは通常枠A類型から検討を始めるのがベーシックと考えられます。

通常枠B類型とは

先の通常枠ITツールプロセスのうち、4種類以上のプロセスを保有するソフトウエアを申請するのが、通常枠B類型です。
基本的な考え方は、通常枠A類型と同じです。
ただし、通常枠B類型では、下記の条件を満たす必要があります。
•労働生産性が向上するITツールであること
•給料がアップすること
通常枠A類型の条件である「業務の効率化や経営力の向上」に加え、従業員の給料がアップすることという条件が追加されています。
これらの数値は、公募要領で定められた計算式による、客観的な数値データで証明する必要があります。
通常枠A・B類型それぞれの補助額については、前回の記事【最大でいくら?2023年IT導入補助金額明示】に詳細がございます。
あわせてご参照ください。

デジタル化基盤導入類型とは

デジタル化基盤導入枠には、3つの異なる目的をもった類型が存在します。
・デジタル化基盤導入類型
・商流一括インボイス対応類型
・複数社連携IT導入類型
その中のひとつが、デジタル化基盤導入類型です。
会計ソフトや受発注ソフトをはじめ、PCなどハードウエアの購入費までカバーしてサポートしてくれます。
これが、通常枠と大きく違うポイントです。
特筆すべきは、「ソフトとハード両方を検討するならデジタル化基盤導入類型」を活用すべきという点です。
では、デジタル化基盤導入類型を詳しくみていきましょう。

ソフトとハード両方を検討するならデジタル化基盤導入類型

通常枠で対象だったのはITツールの導入(7つのプロセスのソフトウエア購入やクラウド利用料)だけです。
デジタル化基盤導入類型では、それにプラス、ハードウェア購入費も対象となります。
ここでいうハードウエアとは、具体的に下記のことです。
・PC・タブレット・プリンター・スキャナー及びそれらの複合機器
・レジ・券売機等

ITツールの導入に合わせ、業務全体をIT化する時は、デジタル化基盤導入類型を使うことが推奨されます。
例えば、決済ソフトの導入とともに、タブレットやレジを同時に導入する場合などです。
補助金のハードウェア購入費とITツール導入で補助率が異なるため、補助金の額の計算が少し複雑になります。
デジタル化基盤導入類型の補助金の詳細は、前回の記事【最大でいくら?2023年IT導入補助金額明示】に詳細がございます。
あわせてご参照ください。

または、公式サイトにて補助金額の自動計算が可能です。

まとめ

IT導入補助金の中でも注目度の高い、通常枠デジタル化基盤導入類型について、詳しくみてみました。
通常枠デジタル化基盤導入類型の大きな違いは、ソフトウエアだけの導入を目的とするのか否にあります。
ソフトウエアにプラスしてハードウエアのデジタル化も視野に入れているのなら、デジタル化基盤導入類型を活用すべきです。
とは言え、通常枠にはA・B類型があるし、デジタル化基盤導入類型は補助金の計算が複雑そう、と頭を抱える事業者の方も多いのではないでしょうか。
そんな時は、補助金のプロに相談することも一つの手段です。

ぜひ、補助金トレンドのサイトを覗いてみてください。

補助金トレンドなら無料診断や、専門家への無料相談が可能ですよ。

参考文献

【[IT導入補助金2023後期事務局] IT導入補助金 2023】

[補助金申請プロサポート] IT導入補助金の申請枠の違いとは|通常枠・デジタル枠・セキュリティ枠の違いを解説